(1)腰掛けて歌う声に併せて、(2)円舞しながら全身関節を緻密に動かす可愛いダンスを披露する。

 これぞ、Perfumeの真骨頂である。これは、きっと古今東西誰もやったことがない、空前絶後の調合である。


 (1)は、元ぱふゅ〜むである彼女たち自身もかなり葛藤した点のようである。四年間の歴史を持つ元ぱふゅ〜むとしては、椅子に腰掛けて、感情を込めず、減り張りなく、抑揚が無いよう歌えという、中田プロデューサーの指示は、戸惑ったわけである。レコーディングの度に、今度は、立位で歌わしてもらおうと、考えては、やっぱり、プロデューサーには逆らえず、渋々腰掛けて、歌い続けたようである。それでも、次第に、それを熟なしていくようになったのである。

 一方、(2)は、ぱふゅ〜む時代からのプロのダンス先生に、振り付けされることによって、自然と踊りは身につけることが出来たのである。プロの先生は、それが、奇異なテクノポップという曲であろうとも、作詞からのダンスも交えながら、しかも、ぱふゅ〜む時代のイメージも温存しつつ、新しいダンスを創作したのである。若い彼女たちも、このダンスには、抵抗なく、身につけることが出来たようである。

 そして、やっとなんとか、この(1)と(2)調合が、上手く纏まってきたのが、曲調の性質もあるだろうが、彼女たち自身が認めているように、以下の曲である。

Perfumeで「ビタミンドロップ」

だからといって、この曲が、易々とヒットしたわけではなかったが…。